タ〜トで一話一首
私の右隣の人がテレビに目をやると、
テレビが私の左側にあるので、
右隣の人のテレビまでの視線の上に、私が含まれてしまう。
私が右隣の人の視界から逃れられなくなる。
私は生きているのが耐えられない思いがにわかに強まり、
白飯の上のたくあんと白飯とみそ汁とをかっ込み、
噛みながら洗面所に向かって、飲み込んだなら歯ブラシ行為に入り込んだ。
有理に治安を歯周ポケットを意識してえ有理に治安を歯の裏側の着色に気をつけてえ
「殺せ。」
排水溝の奥は気管と食道のように、排水が通る管とメッセージの通り道となる管に分かれていた。
私は排水溝に、殺せとメッセージを投函した。
その土地の夏祭りは、てふてふ祭りと言った。
家々の排水溝に投函されたメッセージが神社に集められ、
神主さんやスタッフが各メッセージを
蝶々型の薄い紙に一枚一枚書き取る。
それらは祭りの夜に境内で清められ焼かれることになっている。
てふてふ祭りのもうひとつの見物と言えば、盆踊りである。
これが奇妙で、ほとんどツイストと変わらない踊り方をする。
田植え中に、田んぼの泥に足をとられて転びそうになったのを
片足立ちで体をひねりながらよじりながら
体勢を整えた様を踊ったものだ。
祭りの夜、広い境内の中央では皆の心に染み付いた言葉が炎となって栄え、
それを取り囲むようにツイストによく似た盆踊りが奉納された。
暗いような明るいようなてふてふ祭りだった。
☆地面にはエンボス加工ドット柄 その土地の人のツイストの跡
てふてふ祭りで焼かれたメッセージはどうなったか。
キメの細かい灰となった。
この灰がその昔から、染みをよく取ると畏怖されていた。
それを洗顔料として製品化し、
染みで染みを制すという商品コンセプトから全国に利用者を持つことになったのが、
かのドモホルンリンクルの洗顔フォームである。
無料お試しセットだけでは終われなくなるゆえんである。
柴
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キンチョーの夏、日本の夏
とゆうコピーがなぜ脳裏をよぎったのか考えながら
指で机をフテフテフテと鳴らしていた。リズムを音をビートをきざむ感じ。
リズムはとっていない。そんな感じで。
もいっかいそんな感じで、机をやっていたら風呂上がりの先輩が
なにやってんの?
の類義語を言って問うてきたので
これは暇つぶしです
の類義語で後輩は答えた、いやお答えした。
先輩はそれを無視して台所へむかい、またビールを飲む様子、いやご様子。
不自然な黄色のたくあんオンまな板。
それを包丁でカット。
それは意外な展開でした。
だって先輩はとてもグルメだ。いろんなおいしいものを知っていて、
そして作ってくれる。そしてそしてそれは絶対的に美味である。
だから後輩は先輩宅に後輩の治安じゃなくて茶碗を置く場所を確保している。
場所オンリー。茶碗はいつも忘れるおっちょこな後輩です。
でそんな先輩がビールのつまみにシンプルな、
どす黄色いたくあんを選んだから。意外。
でも後輩はそんなこだわりがあるのかないのかよくわからん先輩を
とても先輩だと思っていました。
後輩はもともと自分が考えていたことがなんだったのか忘れてしまったので
先輩からなんか言われたあたりまでの行動を振り返る旅にでました。
すると先輩が
あんたにー、あげーええたー
と歌った。世良公則&ツイストのあんたのバラードですね。
先輩はほんとにいろんなことを知っているなーと、後輩はまた胸に迫るものがあった。
ひとしきり胸に迫ったので、
再度先輩からなんか言われたあたりまでの行動を振り返る旅にでました。
指では机をふてふてふてふて鳴らしはじめました。
リズムはとってないけどそんな感じで、例のやつを。ビート。
後輩は、ビールも進んでいますし、振り返り過ぎました。
後輩の振り返りは今朝の家での風景にまで及んでおり、
送られてきたドモホルンリンクルの無料お試しセットに喜ぶ女系家族の図、
が後輩の頭の上には浮かんでいました。
部屋には蚊取り線香の煙と匂いが浮かんでいました。
☆包帯とゆう印象のあの人はいろいろほんとのことを知ってる
脇